0才〜12才で始められる予防矯正?

予防矯正治療はどのような治療?
早期に歯並びの乱れの原因を特定し、改善・指導・トレーニングを行うことが予防矯正治療です。

"When to start?"
タイミングは今です

お子様の気になる症状がある前に、歯科医院での診察をおすすめします。治療だけではなく、保護者がお子様の口・歯の特徴や知識をつけていただくことが大切です。歯科医院は治療するだけでなく、歯科医療に関する情報提供の場でもあります。

なぜ歯並びが悪くなるの?

柔らかいものを食べる食生活や現代の生活環境などの生活習慣が原因となり、筋肉や骨格がバランスよく発達できず、あごの発育不良で歯並びが悪くなります。遺伝が影響する可能性は極めて低く、食事、噛む回数など、生まれてからの生活習慣が大きく影響します。

その他 歯並びが悪くなる原因

習慣となっている癖
口呼吸・口ぽかん・舌癖・片方だけで噛む・異常嚥下
習慣となっている姿勢
うつ伏せで寝る・横向きで寝る・頬杖・姿勢の乱れ
その他
先天異常・食生活の乱れ・むし歯の放置

上のあごと下のあごで成長時期がちがうことをご存知でしたか?

上のあごは平均9才〜10才で成長が止まり始めます。

通常、安静時では、舌はあごの口蓋部に触れる位置にあります。上あごはその舌のおかげで、その形態を維持します。上あごが成長しないと、舌は行き場所を失い、下がりはじめます。

そのままの状態を放置すると、上あごはさらに小さくなります。下がった舌が下あごにあると、下あごもさがり、やがて口呼吸となります。口呼吸は様々な疾患の原因ともなります。

下のあごは平均11才〜14才で成長が止まり始めます。

上あごの発育不良で下のあごが成長しないと、下あごが後ろにさがります。咽頭の気道も細くなり、呼吸がさらにできにくくなります。そのため、気道を広げようと前かがみになるため、姿勢も悪くなります。

あごの発育は姿勢と呼吸に大きく関係しています。

異常歯列について

前歯が前に出て、奥歯が内側に傾斜した状態です。この状態から予防矯正をすることで上あごを広げ、歯列を整えます。

下あごが小さいため、歯が不整列にはえています。下あごを広げて永久歯がはえるスペースを整えます。


▶︎叢生
歯が重なり合ったり、ねじれてはえている状態。


▶︎出っ歯
前歯の位置が突出していて、口が閉じにくかったり、閉じても上唇の盛り上りや前歯の露出がおこる状態。


▶︎開口
閉口時でも前歯に隙間ができる状態。指しゃぶりなどが原因。


▶︎受け口
下あごの前歯が上あごより前に出ている状態。

予防矯正治療について

予防矯正はあごの成長が止まるまでが治療対象年齢となり、早ければ早いほど効果も早期に期待できます。あごの発育不良を治療できるのもあごの成長時期のみとなり、この時期であれば矯正器具を装着した場合も抜歯せずに治療することもできます。この成長時期を過ぎると通常の矯正治療の対象となり、スペース確保のための抜歯が必要となるケースが増加します。

治療の目的

口腔内の機能不全をとりのぞき、顎顔面の正しい形をつくる。 歯と筋肉のバランスを改善し、正しい成長発育に軌道修正すること。

治療の目標

鼻呼吸、安静時の口の閉鎖、舌の上あご接触、正しい嚥下、健康的な顔面発育、正しい姿勢、キレイな歯列。

治療のゴール

将来、口だけでなく、心身ともに病気になりにくい健康な体を作ること。

予防矯正の開始時期は?

治療の開始する時期によって治療内容は異なります。最適な治療対象年齢は0才から12才です。

マウスピースや矯正装置を使用した予防矯正は上あごが成長中であること、お子様がこちらからお伝えすることを理解できる、
5才から8才が予防矯正のゴールデンエイジです。

お子様の正しい成長発育、健康のために

「え?生まれてないのに歯医者さん?」

妊娠中にもご来院いただくこともおすすめします。妊娠中の姿勢、授乳様式(母乳・ミルク)や姿勢、首が座るまでの抱っこの仕方、離乳食、足育、幼児食、つかまり歩きなど、乳幼児への育児の取り組みについてご案内します。
乳幼児のお子様は著しいスピードで成長します。事前に知識を得ることで、できるだけあごの発育不良や歯並びが悪くなる原因を取り除きましょう。
当院ではマタニティー歯科指導にも取組んでいます。

正常な発育、呼吸へみちびきましょう

これまであごの発育不良により、口腔内の機能が低下したお子様の見てきました。本人はずっとそのままの状況で生活してきているので、自覚がない場合が多いですが、周囲の方々や私たち医療機関が正しい発育へ導いてあげなければなりません。
できるだけ早期に正しい成長発育むけて症状を治していきましょう。そのためには早期の発見が大切です。お子様に下記の症状がないかご確認ください。

むし歯のできにくい、キレイな歯列

歯並びが悪ければ、歯ブラシが届かないなど清掃性が原因でむし歯のリスクも高くなり、将来歯を失うリスクも高くなります。お子様の健康寿命のことを考え、早めの検診をおすすめします。あごの成長期間中に歯を抜かずに歯列を整えることもでき、治療期間が短くなり、費用も軽減できます。

このような症状がある場合は予防矯正が必要な場合があります

呼吸 口呼吸・お口ポカン・発音が変・いびき・歯ぎしり・無呼吸症候群
嚥下 食べ方がおかしい・噛まずに飲み込んでいる・うがいができない
姿勢 姿勢が悪い・体幹を保てない・寝相が悪い(横根、うつぶせ)
成育 寝起きが悪い・むし歯が多い・歯並びが悪い・下顎が小さい

お子様の約7割が歯並びや噛み合わせに問題をかかえる予備軍と言われています。
お子様の口に関することや生活習慣で気になることがあればお気軽にご相談ください。

予防矯正治療をはじめるまでの流れ

1.初診・歯並び相談

初期検査後、噛み合わせの状態などを確認し、お子様へ生活習慣について問診します。

2.精密検査

口腔内の写真、レントゲン写真、歯列模型、機能検査など、必要な情報を収集します。

3.治療計画・費用の決定

基礎資料をもとに、診査・診断に基づく最適な治療と費用についてわかりやすくご説明させていただきます。ご了承をいただいた後、治療を開始します。

予防矯正治療の流れ

1.初期治療 0〜5才

0〜5才の治療では、間違ったクセや態癖を発見し、早期の改善、指導、支援を行います。

2.第一期治療 6〜11才

乳歯が永久歯に生え変わる時期です。全ての永久歯がきれいに並ぶよう準備します。不正な歯並びの原因を特定し、機能を是正するトレーニングを行います。

3.第二期治療 12〜14才

全て永久歯に生え変わったら問題点の確認と成長発育が止まるまで、最適な対応を診断します。

4.保定 15才〜

その後のメインテナンスへ移行します。良好な噛み合わせが上手く維持できているか経過を診ていくステージです。

ご自宅でのトレーニングの一部

予防矯正治療ですが、医院での治療とご自宅で行うトレーニング(筋機能訓練)があります。ご自宅で行うトレーニングは、1日1回30分〜60分間行います。正しく呼吸、飲み込みができるように、お口まわりの筋肉のバランスをとったり、姿勢を正すトレーニングを行います。


舌を上あごにつける


マウスピースを装着して口周りの筋肉を動かす


正しく飲み込む練習

予防矯正治療での使用器材

矯正装置

幼児期、学童期に使用します。成長期には歯やあごが動きやすいため、成人時に行う矯正よりも短期間で歯を動かします。
あごの発育不良を改善することができるのは成長期がとまるまでの期間となります。


下あごの矯正装置


ハイラックスタイプ
上あごを急速に拡大する装置


ファインタイプ
上あごがある程度発達した状態で使用

MFT(筋機能訓練)で使用する器材

主に幼児期、学童期に使用します。歯列の矯正や、口呼吸から鼻呼吸を確立するために舌や口唇機能訓練を行います。
マウスピースは口のサイズや目的に応じて様々な種類をご用意しています。

その他

その他、お子様に楽しく治療を受けてもらうために、様々な器材をご用意しています。


吐き出す息の量の測定に


お口まわりの筋肉の測定に


お口周りの筋肉トレーニングに


舌を上あごにつける練習に